イラストレーターは開業届を提出すべき!提出方法や書き方も徹底解説
こんにちは!イラストエッセイ漫画家として活躍しているまるり先生です。
イラストレーターの活動を始めたばかりだと、開業届を提出すべきか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。開業届とは、事業を始めた事を税務署に知らせる書類です。
結論から言うと、私は開業届を提出することをおすすめします。とはいえ、開業届を出すのにはデメリットもあります。
そこで今回は、イラストレーターが開業届を提出するメリット・デメリットや開業届の出し方・書き方を徹底解説します。ぜひ最後までお読みください。
私自身も開業届けを出すか迷っていたので、本記事を読み、あなたに合う選択肢を見つけて頂けたら幸いです。
イラストレーターは開業届を出すべき?
開業届を提出すると、節税できる・赤字が繰り越せる等の多くのメリットがあります。
しかし、人によっては開業届を提出する事で、扶養から外れてしまうなどのデメリットが発生するのです。つまり、それぞれの状況に合わせて、開業届を提出すべきかどうかを判断する必要があります。
開業届を提出するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 最大65万円も節税できる
- 屋号で口座を作れる
- 助成金を受けられる場合がある
- 小規模企業共済に入れる
- 個人事業主である証明になる
- 赤字が繰り越せる
デメリット
- 失業手当が貰えなくなる
- 扶養から外れてしまう
- 副業がバレてしまう可能性がある
詳細は以下の通りです。
イラストレーターが開業届を出すメリット
開業届を出すメリットは以下の通りです。
最大65万円も節税できる!
開業届を提出すると、確定申告時に「青色申告」を利用できるようになります。青色申告とは、日々の帳簿に基づいて行う申告です。
青色申告は白色申告に比べて最大65万円控除され、節税ができます。確定申告についての詳細は、こちらの記事でご紹介しています。
屋号で口座を作れる
開業届を出すと、個人名ではなく、屋号名で銀行口座を作れるようになります。領収書の名前に屋号を使う事も可能です。
以上2点を利用する事で、クライアントからのより高い信頼へつながるでしょう。
助成金を受けられる場合がある
開業届を提出している場合だけ、受け取れる助成金があります。例えば、経済産業省の小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金などです。
助成金を受けると、新事業をする際に予算が増えるなどのメリットがあるので、積極的に活用していきたいです。
小規模企業共済に入れる
個人事業向けの共済に入れるのもメリットの1つとなっています。
個人事業主は会社員と違い、安定した収入を得られるか分からないので、不安に思う方も多いですが、その不安を解消できるのが小規模企業共済です。
小規模企業共済に入ると、廃業時に退職金代わりのお金がもらえるのなどのメリットがあります。
個人事業主である証明になる
個人事業主である証明ができるようになると、社会的な信用が高まり、仕事のチャンスが増えます。また、自分自身の仕事への責任感も高まるため、将来的なステップアップを考えている人は、開業届を出すべきです。
赤字が繰り越せる
青色申告を利用できるようになると、赤字になった場合、3年間まで繰り越すことができます。赤字を繰り越せると、翌年の所得にかかる税金を減らす事ができるのです。
イラストレーターが開業届を出すデメリット
開業届を提出するデメリットは以下の通りです。
失業手当が貰えなくなる
開業届を提出すると、失業手当が貰えなくなります。失業手当をもらう条件は「失業状態であること」だからです。
売上がない場合でも、開業届けを提出すると失業手当が貰えなくなります。現在失業手当を受給中の方やこれから退職し受給予定の方は、開業届を提出するタイミングに気をつけましょう。
扶養から外れてしまう
家族の扶養に入っている場合、そこから外れてしまう可能性があります。
扶養先の企業によりますが、開業届を提出すると、収入が少なくても「健康保険上の扶養」に入れなくなる場合があるのです。開業届を出す前に、扶養先に確認するのが良いでしょう。
副業がバレてしまう可能性がある
イラストレーターの仕事が副業で、それを仕事先に秘密にしている場合、開業届を提出することで副業がバレてしまう可能性があります。
確定申告をすると「住民税」が増えるためです。
開業届を提出するだけではバレませんが、年間20万円の所得がある場合は、必ず確定申告をしなければならないためバレてしまいます。
なお、所得が20万を超えているのに確定申告をしなかった場合は、厳しいペナルティを受ける可能性があるので、確定申告は必ず行いましょう。
確定申告について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
イラストレーターの開業届の提出方法
開業届はどのように提出するのでしょうか。
開業届の提出に必要なもの・提出の流れをご紹介します。
開業届を提出する際に必要なもの
開業届を提出する際に必要なものは次の通りです。
- 開業届
- 青色申告承認申請書
- マイナンバーカード
- 屋号
詳細は以下の通りです。
開業届
開業届の様式は、国税庁のホームページで手に入ります。
>>国税庁[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続
または、税務署で直接手に入れる事もできるので、税務署が近くにある方は取りに行くのも良いでしょう。
手に入れたら、必要事項を漏れなく記入してください。なお、以下で紹介する「freee開業」を利用すれば、必要事項をweb上で記入後、印刷またはそのまま税務署への提出ができるのでとても便利です。
青色申告承認申請書
開業後、青色申告を利用する場合は、「青色申告承認申請書」が必要です。一度承認されれば、毎年提出する必要はなくなります。
提出期限は、青色申告を受ける年の3月15日までです。
つまり、2022年分を青色申告するには、2022年の3月15日までに提出する必要があります。2022年分の確定申告日は、翌年の2023年2月〜3月なので、早めの提出が必要になるのです。
なお、青色申告承認申請書は、2022年の1月16日に開業した場合は、開業日から2ヶ月以内に提出しましょう。
マイナンバーカード
開業届の提出にはマイナンバーカードが必要ですが、カードの代わりに、マイナンバーが確認できる書類があれば問題ありません。ただし、マイナンバーカードがないとweb上での申請はできません。
屋号
開業届を提出する際に、屋号も申請します。必須ではないですが、考えておいた方が良いです。
今後、ビジネス上で使用していく名前なので、慎重に考えましょう。
なお、屋号の変更は、確定申告時に提出する書類に変更した屋号を記載するだけで問題ありません。
開業届の提出方法
開業届の提出方法は、主に3つあります。
住民票をおいている場所によって提出先が異なりますが、不明な場合は、国税庁のホームページで確認できるので、提出前に確認しましょう。
- 税務署に直接提出する
- 郵送で提出する
- web上で提出する
それぞれの特徴を詳しく説明します。
①税務署に提出する
1つ目の方法は、税務署に直接提出する方法です。
税務署の受付時間は、8:30〜17:00までとなっているので、時間内に訪問する必要があります。なお、税務署の時間外や閉庁日には、時間外専用の箱に投函できますが、書類の不備があると再提出が必要になります。一度で確実に提出したい方は、受付時間に訪問するのがおすすめです。
②郵送で提出する
2つ目の方法は、税務署に郵送で提出する方法です。
郵送の場合、本人確認書類を指定の書式に貼り付ける必要があります。
指定の書式は国税庁のホームページからダウンロードできるので、確認してみてください。
税務署を訪問するよりも手間がかかりませんが、書類の印刷や不備があった場合の再提出など、デメリットも多いです。
③web上で提出する
3つ目の方法は、web上で提出する方法です。
以下でご紹介する「freee開業」を利用すれば、質問形式で入力していくだけで不備のない書類を作成でき、簡単に提出できます。印刷する手間も再提出する手間もなく、忙しい方にはピッタリの方法です。ある程度パソコンに触れる方なら、この方法が最も便利で確実なので、ぜひ試してみてください。
イラストレーターの開業届の書き方
今回は、私が実際に使用している「freee開業」での開業届の書き方をご紹介します。
無料で簡単に開業届が提出できる!「freee開業」
freee開業は、質問に答えていくだけで簡単に開業届が作成・提出できるソフトです。専門的な知識は必要ありません。
利用料は無料なので、開業届の提出が不安な方はfreee開業を使っておけば間違いないです。
また、開業届以外に必要な書類も、質問に答えるだけで簡単に揃うので安心できます。
freee開業で開業届を作る方法
freee開業での開業届の作り方は以下の通りです。
- 開業手続きや確定申告の流れを確認する
- 質問に答えながら、必要事項を記入していく
- 書類の提出先を選択する。
- 書類の提出方法を選択する
- 提出する書類を確認する
- 電子申請に必要なアプリをスマホにダウンロードする
- マイナンバーと利用者識別番号を入力し、提出ボタンを押す
- スマホでQRコードを読み取り、電子申請する
- 書類の受付結果を確認する
- 完了
画像付きで詳しく説明します。
①開業手続きや確定申告の流れを確認する
「freee開業」に無料登録したら、自動的にこの画面に切り替わります。開業届の手続き前に、手続きや申告の流れをしっかり確認しておきましょう。
②質問に答えながら、必要事項を入力していく
流れを確認したら、質問に答えながら必要事項を記入していきます。
漏れのないように記入しましょう。
下記部分で、申告方法を選択する箇所がありますが、白色申告ではなく青色申告を選択しておくと良いです。
③書類の提出先を選択する
先ほど登録した住所を管轄している税務署が選択できます。
④書類の提出方法を選択する
書類の提出方法は4つから選べます。今回はスマホで電子申請を選択しました。PCでの電子申請は、マイナンバーカードを読み取るための専用機器が必要になります。
税務署に提出・郵送を選択した場合は、印刷する流れに誘導してくれるので、指示に従って進めていきましょう。
⑤提出する書類を確認する
最初の画面で選択した申告方法により、提出する書類が変わってきます。
提出日が最初に記入した開業日より2ヶ月以上経っている場合は、今年度は青色申告を利用できないので、開業日にも注意が必要です。
⑥電子申請に必要なアプリをスマホにダウンロードする
スマホで電子申請を行う場合、アプリのダウンロードが必要になります。
手続きを進める前に、ダウンロードしておきましょう。
⑦マイナンバーと利用者識別番号を入力し、提出ボタンを押す
マイナンバーと利用者識別番号を入力し、提出ボタンを押すと、QRコードが出てきます。利用者識別番号は、「電子申告開始ナビへようこそ」のガイドに沿って、簡単に発行できます。
以前確定申告をした経験のある方は、前年度の利用者識別番号が利用できますが、e-Taxに5年以上ログインしていない場合は番号が失効してしまいます。そのため、新規での取得が必要です。
⑧スマホでQRコードを読み取り、電子申請する
QRコードを読み取り、スマホで操作します。
この時に、マイナンバーカードの「署名用電子証明書暗証番号」とe-Taxの「利用者識別番号に紐づく暗証番号」が必要になります。署名用電子証明書暗証番号が分からない場合は、市役所で再発行し、利用者識別番号に紐づく暗証番号が分からない場合は、e-Tax上で再設定しましょう。
⑨書類の受付結果を確認する
スマホでの操作が完了したら、受付結果の確認をします。
受付完了になっていたら、正しく送信できています。
⑩完了
以上①〜⑨ができたら、手続きは全て完了です。
開業届はfreee開業で簡単に済ませよう!
本記事では、イラストレーターは開業届を出すべきか?という疑問にお答えしながら、提出方法や書き方などもご紹介しました。
まとめると、開業届の提出には沢山のメリットがあるので、理由がない限り、提出する事をおすすめします。「忙しくてなかなか手続きできない」という方でも、開業ソフトを利用すれば、15分もかからずに提出できます。
特に、今回ご紹介した「freee開業」は、質問形式で入力していけば良いので、初心者でも簡単です。
ぜひ、本記事を参考にして効率的に開業届を提出し、提出した際に受けられるメリットを最大限に活用しましょう!